診療のご案内

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眼科の診療について

屈折異常(子供の近視、遠視、弱視など)

屈折異常とは、眼の奥の方にある網膜(カメラのフィルムに相当する部分)の中心部にピントが合わない状態であり、「近視」や「遠視」などと表現されます。

近視は、網膜の前方でピントが合うため、遠くのものと較べて手元のものの方がよく見える状態です。
遺伝的な要素や環境などが関係すると考えられており、親が近視の場合、子供も近視になる可能性は比較的高いといわれています。また、勉強、読書、テレビ、コンピューターゲームといった近くを見る作業を長く続けることは、眼を疲れさせてしまうので、環境的に好ましくないのはいうまでもありません。

学校検診などで視力不良を指摘されたお子さんのご両親の多くはとても心配されます。しかし、近視は成長とともに度数が進むことが多いですが、レンズを用いて良好な矯正視力が得られれば病的意義はなく、通常は視力不良には陥りません。裸眼視力や生活状況に応じての眼鏡使用を開始するタイミングを逃さないことが重要でしょう。

その一方で、遠視とは、網膜の後方でピントが合うため、遠くを見るときはもちろん、近くを見るときも調節しないとはっきり見ることができない状態です。
こちらは近視と較べて弱視(眼鏡で矯正しても良好な視力が得られない状態)に陥ってしまうことが多く、多くのケースで長期間の眼鏡装用が必要になります。発見が遅れると将来運転免許が取得できないなどの致命的な視力障害を残すことになってしまい、10歳をすぎたお子さんでは治療時期を逃してしまうことがほとんどなので、学校検診などで視力不良を指摘された際にはまず眼科を受診して、強い遠視でないかどうかを検査する必要があります。

前眼部疾患(ドライアイ、花粉症、白内障など)

花粉症

人間の体には、病原菌などから体を守る「免疫」という機能が備わっており、これによって侵入した病原菌を体から排除しています。この免疫が花粉やダニなどに対して過剰に反応してしまうことによって起こるのがアレルギーであり、このうちスギやヒノキなどの花粉が原因となって生じるのが「花粉症」です。 眼においては「アレルギー性結膜炎」として発症し、充血、流涙、痒みなどを生じます。重症化すると、結膜に強いむくみが出たり、角膜に傷ができて視力障害を起こすこともあります。
現在日本人の約20%が花粉症といわれており、その多くが毎年2月から3月にかけて強い症状に悩まされることになるので、この時期には点眼薬などによる適切な治療が必要になります。

ドライアイ

ドライアイとは、涙液の減少や質の変化によって眼の表面に障害を生じる疾患です。
軽度の場合は「眼が疲れやすい」、「何となく不快感がある」といった症状を自覚する程度ですが、症状が長引いたり、より強くなるようだと、眼の表面に多数の傷を生じる可能性があります。

ドライアイについてもっと詳しく

白内障

眼の中でカメラのレンズに相当する役割をするのが水晶体という組織ですが、この水晶体が加齢などによって濁ってしまい、視力が低下してくるのが「白内障」です。
白内障は点眼治療では進行を遅らせることしかできないので、視力を改善させるには手術が必要です。
手術はある程度不自由を感じてから検討しても手遅れになることはありませんが、白内障は稀に他の病気を合併することがあるので定期的な観察が必要です。
手術を希望される患者さんには、近隣の総合病院での短期入院治療についてお話しし、当院から紹介状をご用意しています。

後眼部疾患(緑内障、飛蚊症、糖尿病網膜症など)

緑内障

緑内障は、眼と脳をつなぐ視神経が障害され、徐々に視野障害が広がってくる病気です。40歳以上の日本人の約20人に1人は緑内障と考えられているので、けっして珍しい病気ではありません。
緑内障は眼圧を下げることによって進行しにくくなるので、できるだけ早期に緑内障を発見し、点眼薬などで眼圧を低く維持することが大切です。
しかし、緑内障の患者さんの多くは、眼圧は正常であり、視野障害の自覚もありません。ですから、緑内障の早期発見のためにも、40歳を過ぎたら定期的に眼の検査を受けることをお勧めします。
当院では、緑内障の診断や経過観察を行う上で極めて重要なハンフリー視野計の他に、近年開発された光干渉断層計(Optical Coherence Tomography : OCT)も導入しており、初期緑内障の検出や確定診断、進行予防などに役立てています。このOCTは短時間で行えて患者さんの負担もほとんどなく、これまでの検査では検出できなかった微細な変化をも詳細に観察することができます。

緑内障についてもっと詳しく

飛蚊症

眼科を受診される患者さんの症状で比較的多いのが「飛蚊症」です。これはその名前の通り、「目の前に蚊が飛んでいるように見える」、「糸くずや薄い膜のようなものが見える」といった症状を自覚します。
その原因の多くは老化に伴う眼の中の成分(硝子体)の変化によるものですが、網膜に生じた穴(裂孔)によるものや、眼の中の出血(眼底出血)が原因であることもあります。こうした病気が原因である場合、早期の手術をしないと失明につながる可能性もあるので、飛蚊症を自覚した際には早めに眼科を受診し、精密な眼底検査をすることが必要になります。

糖尿病網膜症

糖尿病は体のあちこちに障害を起こす病気ですが、眼においても「糖尿病網膜症」という非常に深刻な合併症を起こします。
糖尿病網膜症は、血糖の高い状態が持続する結果、網膜にはりめぐらされている細かい血管が壊れることによって起きる病気で、日本の中途失明の原因疾患の上位に位置しています。
初期には見え方に異常はありませんが、視力低下を自覚して眼科を受診される頃にはかなり進行した段階であることが多く、広範囲の出血や網膜剥離などが起こってくると治療による改善の見込みは少なくなり、最悪の場合は失明に至ってしまいます。
ゆえに、自覚症状が生じる前に適切な治療を計画していかなければならないので、糖尿病がある患者さんは定期的な眼底検査が必要になります。 糖尿病網膜症の治療法には、薬物による治療法と外科的な治療法(レーザー治療や硝子体手術)があります。病気の進行によって治療法は異なり、網膜症を早期に発見して治療を開始できれば、より負担の小さな方法で視力障害や失明を防ぐことができます。

初診の方へのご注意

視力低下や飛蚊症を自覚されている方、および糖尿病や高血圧の既往がある方は詳しい眼底検査が必要になることがあります。
この場合、検査用の点眼薬の作用で診察後5〜6時間ほど視界がぼやけますので、お車でお越しの際にはご承知おき下さい。